【約8000万年前に形成された世界最古の砂漠】
アフリカ大陸南西部の国ナミビア。その大西洋岸沿いに北はアンゴラ、南は南アフリカ共和国の国境付近まで、1,000km以上にわたって続く広大なナミブ砂漠。なかでも南北約320km、幅約120kmのナミブ砂海と呼ばれる一帯は、高さ100m~300mを超える巨大な砂丘が延々と連なる特異な自然美で知られ、2013年世界遺産に登録されました。
ナミブ砂漠は、南アフリカのドラケンスバーグ山脈からオレンジ川に流れ出て、そこから海岸に運ばれた砂が、海上の強風によって内陸まで飛ばされ、約8000万年前に形成された世界最古の砂漠といわれます。砂は内陸に至る間に含まれる鉄分が酸化し赤く変色。最奥部のソススフレイには、アプリコット色と形容される美しい砂肌の砂丘が、うねるように連なっています。
また、干上がった白い沼地に立ち枯れた木々のみが点々と並ぶデッドフレイ(死の沼地)。この地域に住むサン人が「ナミブ(何もない)」と名付けたのも頷けます。しかし、そんな過酷な環境の中でも、多様な動植物が生を営んでいます。固有植物のウェルウィッチアもその1つ。水脈のある地下深くに長い根を下ろし、1000年以上を生き続けるというから驚きです。
ナミブ砂漠は、ナミビア大西洋側に位置する砂漠。北はアンゴラとの国境付近から南は南アフリカ共和国北端にまで及ぶ。南北は1,288km、東西は幅48kmから161km。面積は約50,000km²にわたる。約8000万年前に生まれた世界で最も古い砂漠と考えられている。「ナミブ」は主要民族であるサン人の言葉で、「何もない」という意味である。
ナミブ=ナウクルフト国立公園に含まれる砂漠地帯が、2013年の第37回世界遺産委員会で世界遺産リストに加えられた。ナミビアではトゥウェイフルフォンテーンに続く2件目の世界遺産であり、自然遺産としては初である。