【第70位 ヨルダン・死海】
地球の表面で最も低い位置にある 死海
死海は、アラビア半島北西部に位置する塩湖。西側にイスラエル、東側をヨルダンに接する。湖面の海抜はマイナス418mと、地表で最も低い場所である。
歴史的に様々な名前で呼ばれたが、現在の英語名(Dead Sea)はアラビア語名に由来する。
死海は、東アフリカを分断する大地溝帯が紅海からアカバ湾を通ってトルコに延びる断層のほぼ北端に位置している。
死海を含むヨルダン渓谷は、白亜紀以前にはまだ海であったと推定されている。その後の海底隆起により、パレスチナ付近の高原が形成されると同時に、ヨルダン渓谷付近に断層が生じたと考えられている。
この断層の西側はアフリカプレートで、東側はアラビアプレートである。前者が後者を圧縮したことにより、断層を挟んで後者が北へ動いた。
死海の水源は唯一ヨルダン川である。年間降水量は50mmから100mmと極端に少なく、気温は夏が32°Cから39°C、冬でも20°Cから23°Cと非常に高いため、湖水の蒸発が水分供給を上回る状態で、高い塩分濃度が生まれた。
海水の塩分濃度が約3%であるのに対し、死海の湖水は約30%の濃度を有する。
1リットルあたりの塩分量は230gから270gで、湖底では428gである。
この濃い塩分濃度のため、湖水の比重が大きくなり、結果、浮力も大きいので、人が死海に入って沈むことは極めて困難である(ただし、慌ててもがくなどして大量の水を飲んで溺死することはある)。
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また後述の例を除き、生物の生息には不向きな環境であるため、湧水の発生する1か所を除き、魚類の生息は確認されていない。
死海という名称の由来もここにある。
しかし、緑藻類のドナリエラ(Dunaliella salina)や古細菌類の高度好塩菌の生息は確認されている。