【第97位 タンザニア・ンゴロンゴロ保全地域】
古人類学における重要な地として
ンゴロンゴロは火山によってできた世界最大の完全なカルデラです。
304平方キロメートルにわたるカルデラの底は、ゾウ、ライオン、ヒョウ、サイ、バッファロー、そして観光客に喜ばれる動物たちが棲む、究極の「ビッグ・ファイブ」の目的地です。
ここは、8,292平方キロメートルにわたるンゴロンゴロ保全地域(NCA)の中心的な場所で、西部の平原に約250万頭のレイヨウ、シマウマ、バッファロー、そしてヌーが季節的に集まる、さらに広いセレンゲティ生態系の東に繋がっている地域です。
ユネスコ世界遺産として、そして国際的な生物圏保護地区として、NCAには世界的に重要なたくさんの考古学的な遺跡があり、伝統的な生活様式を維持するマサイ族、ダトガ族、ハッザ族が膨大な数の野生動物たちと共存しています。
また、この地域には2つの地質学的な断層が走っています。
ンゴロンゴロ高原にある9つの火山は、過去400万年の間に生成されました。
これらのうちの一つ、オルドイニョ・レンガイはいまだに活動する活火山です。
これまで1000年にわたる噴火による灰と塵は、風に運ばれて、セレンゲティ平原の豊かな土壌を作ってきました。NCAで最初に人類の祖先が現れたのはラエトリで、ヒト科の原人の足跡が360万年前の火山岩に残っています。