【長崎県・熊本県・長崎の教会群とキリスト教関連】
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(ながさきとあまくさちほうのせんぷくキリシタンかんれんいさん)は、長崎県と熊本県に残る12件の構成資産から成るUNESCOの世界遺産リスト登録物件である。
もとは「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として登録が目指されたが、潜伏キリシタンに価値の焦点を絞る形で構成資産が再考された結果、現在の名称になった。
2018年6月30日、第42回世界遺産委員会において登録が決定した
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産は、江戸時代250年間の禁教令下における厳しい弾圧の中、宣教師不在でありながら、信者のみで信仰を守り通しながらも、孤立せずに一般社会との関わりも持ちつつ、共同体を存続させるための生き方・暮らし方を創造したことが評価され、ユネスコの世界遺産に登録された。
文化行政を掌握する林芳正文部科学大臣は「地元関係者は独特の文化的伝統を物語る資産として再推薦し、登録へ粘り強く取り組んでこられた。
たゆまぬ努力に心から敬意と祝意を表する。人類共通の宝である貴重な世界遺産の保護に万全を期し、後世に確実に引き継ぐとともに、その価値を積極的に発信していく」、蒲島郁夫熊本県知事は「推薦書の取り下げ、資産の見直しという苦渋の決断を経験したが、試練を乗り越えた。
待ち望んでいたこの瞬間を迎えることができ、心からうれしく思う」との談話を発表した。
さらに安倍晋三首相も「長崎と天草地方に残る潜伏キリシタンの集落。
江戸時代、当時の社会や風土に適応しながら、何世代にもわたり、その固有の文化を引き継いできました。
日本独自の信仰のかたちを物語るものであり、まさに世界に類を見ない人類の遺産です。これまで保全に取り組んでこられた関係者の方々に深い敬意を表するとともに、世界の宝を大切に守り、その魅力を世界に向けて発信する、その決意を新たにしたいと思います」とのメッセージを出した。