【近畿地方 滋賀 琵琶湖疏水】
琵琶湖疏水の着工は1885(明治18)年。当時の土木建設の常識を大きく超え、なんと京都府の年間予算の約2倍という巨額の費用と約5年という歳月を費やし、さらに最新の技術を投入して造られました。
このプロジェクトの背景には、明治維新と東京への事実上の首都移転によって、活気をなくした京都を再び繁栄させるという大きな目的がありました。
完成をみた琵琶湖疏水は、水運に加え、上水道、灌漑、そして日本初の事業用水力発電などに活用され、京都の近代化に大きく貢献したのです。
疏水が流れるのは、びわ湖畔の三保ヶ崎から伏見・濠川までの約20㎞。
その起点となる大津、そして疏水沿いの山科、蹴上、岡崎の各エリアは特に注目の地域。琵琶湖疏水の洞門や橋、南禅寺・水路閣、レンガ造りのポンプ室などのモダンな建築物からは、今も当時の歴史や面影を感じることができます。
かつて多くの人々が船に揺られ、行き交ったこの"水の路"。
その路に沿うように走る"鉄の路"京阪電車に乗って、疏水の景色を巡ってみませんか。季節を映す水の流れとともに、古の人々の思いを訪ねながら。時には、新しい発見に驚きながら。