Top 100 cherry blossom spots in Japan
【大分県・岡城跡の桜】
日本桜名所100選の一つに数えられる国指定史跡岡城跡。
約1500本の桜が見頃を迎えた岡城跡や竹田城
ソメイヨシノを中心にヤマザクラ、ボタンザクラなど約450本が植えられた城跡
かの源平合戦において、郷土の武将「緒方三郎惟栄(これよし)」が九州武士団を率いて、大宰府に落ちてきた平氏を九州から追い落とし、平氏滅亡のきっかけとなったことをご存じだろうか。豪傑で知られる惟栄だが、源頼朝と仲違いをした源義経を迎え入れるため、文治元年(1185)岡城を築城したと伝えられている。しかし、頼朝の怒りを買った惟栄は群馬県沼田荘に流され、義経入城の夢は幻と消え去ったのである。
その後、岡城は中世では志賀氏の居城となり、天正14年(1586)には島津藩3万7000人もの軍勢に対し、わずか1,000人で撃退した。その戦いぶりに豊臣秀吉から感状を与えられたという。難攻不落の名城は、文禄3年(1594)、中川公の入封によって岡藩の城となった。
現在残されている城郭は、中川公によって築城されたもので、本丸、二の丸、三の丸、西の丸などの主な曲輪(くるわ)から成っている。趣味人であった藩主は、城の北側にある絶壁を三日月型にくり抜き、その中に明かりを灯して、月のない夜も月見の宴を楽しんだ。毎年秋、稲葉川の水上舞台では幻想的な薪能(たきぎのう)が催され、往時をしのぶ風流なひとときが流れる。